彼女の遺作や語録の中でも、文藝春秋から刊行された『一切なりゆき 樹木希林のことば』は、累計発行部数がミリオンセラーを突破する異例の大ヒットとなった。また、宝島社をはじめとする各出版社が企画した数々の関連書籍も、長年にわたり安定した売れ行きを記録している。
近年の出版業界において、著名人の自伝・エッセイというジャンルは一時的な話題性で消費されることが多い。しかし、彼女の書籍群は全く異なる軌道を描いた。生前のインタビューや対談から厳選された一言一言は、単なる言葉のコレクションを超え、時代を超えて読み継がれる本格的な思想的エッセイとしての評価を確立したのだ。装丁のシンプルさや手に取りやすい構成も手伝い、若い世代からシニア層まで幅広い層が書店で手に取り続けている。