捜査の過程で立ちふさがった最大の障害は、立証の難しさだった。兵庫県警察と神戸地方検察庁の捜査チームは、遺体が長期間放置・埋め立てられていたことによる証拠の散逸に直面した。死因の特定が困難を極める中、被告らをどの罪名で訴追すべきか、法曹界でも激しい議論が戦わされた。
特に死体遺棄罪の公訴時効や、殺人罪における共同正犯の立証は極めてハードルが高かった。加害行為に手を染めさせられた被害者家族が、法的には加害者としての側面も背負わされるという痛切な構造が存在したためだ。兵庫県内の裁判所で繰り広げられた法廷闘争は、日本の刑事司法における証拠主義の限界と、マインドコントロール下における意思決定の法的評価という重い課題を突きつけた。