数ある街の中で「日本一の高級住宅街」と称されるエリアを挙げるとき、必ず名が挙がるのが田園調布(東京都大田区)、芦屋市六麓荘町(兵庫県)、そして渋谷区松濤(東京都渋谷区)の3地区です。毎年発表される各種の高級住宅街ランキングでも常にトップ争いを繰り広げるこれら3つの街は、富裕層を惹きつけてやまない独自の強みを持っています。
大正時代に渋沢栄一が提唱した「田園都市構想」を忠実に具現化した田園調布は、駅西口から放射状に広がるイチョウ並木とエトワール状の街並みが最大の特徴です。都心へのアクセスを確保しながら、広大な敷地と豊かな緑を兼ね備えた郊外型高級邸宅地の祖として、1世紀以上にわたり政財界の重鎮に選ばれ続けてきました。
対照的に、渋谷駅から徒歩圏という都心超一等地に位置しながら、奇跡的な静寂を保ち続けているのが渋谷区松濤です。かつて徳川家ゆかりの紀州徳川家下屋敷や鍋島家の茶園があった由緒正しい土地柄であり、敷地面積200平米超の低層豪邸が連なる様は、繁華街の喧騒を完全に遮断した別世界を形成しています。
そして、自然地形を生かした豪壮さにおいて他を寄せ付けないのが関西屈指の高級住宅街である兵庫県芦屋市の六麓荘町です。六甲山の裾野に位置し、大阪湾を一望できる圧倒的な景観と、電柱が1本も存在しない美しい街路は、まさに日本のビバリーヒルズと呼ぶにふさわしい風格を備えています。