「刹那とは実際に何秒なのか」という疑問に対する答えは、仏教の注釈書である『倶舎論(くしゃろん)』や『大毘婆沙論(だいびばしゃろん)』に明確な記録が残されています。
仏典の記述によると、時間の単位は以下のように細かく定義されています。
・1日(24時間)= 30牟呼栗多(むくるた)
・1牟呼栗多 = 30臘縛(ろうばく)(=48分)
・1臘縛 = 60怛刹那(たんせつな)(=48秒)
・1怛刹那 = 120刹那(=0.8秒)
この計算式を現代の秒数に換算すると、「1刹那 = 75分の1秒(約0.0133秒)」という数値が導き出されます。
人間のまばたきが約0.1秒〜0.3秒程度と言われているため、1刹那はまばたきをするよりもはるかに速い、肉眼では捉えきれない超微小な時間です。仏典では「成人男性が指を1回弾く(弾指:たんし)間に65刹那が経過する」とも説かれており、古の人々が極限の短さを定量化しようとした知恵が伺えます。