街中にこれほどたくさんのスズメがいながら、「死骸をほとんど見かけない」と疑問に思ったことはないでしょうか。これにはスズメの習性と自然界のサイクルが深く関係しています。
第一に、スズメは体調が悪化すると外敵から身を隠すため、樹洞や生垣の奥深く、瓦の下など狭く暗い場所に身を潜める習性があります。そのまま息を引き取るため、人目に触れる道路や広場で倒れるケースは稀です。
第二に、自然界の掃除屋であるアリや甲虫、カラスや野良猫などが、死骸を短時間で処理してしまう点です。都市空間であっても分解者や捕食者のネットワークは機能しており、痕跡は瞬く間に消え去ります。
また、1年のうち最も命を落としやすいのが冬です。スズメの生態と越冬において、冬は日照時間が短くエサ探しが困難な上、氷点下の寒さに耐えなければなりません。羽毛の間に空気を溜め込んで丸く膨らむ「ふくら雀」は愛らしい姿として知られますが、彼らにとっては命がけの防寒対策です。厳しい寒波を乗り越えられず、朝を迎えることなく力尽きる個体も少なくありません。