うつ病が進行すると、周囲から「まるで能面をかぶったようだ」と形容される状態に陥ることがあります。医学的にも仮面様顔貌(かめんようがんぼう)と呼ばれる現象で、喜怒哀楽の起伏が顔から一切消失し、まばたきの回数が極端に減少するのが特徴です。
この能面のような表情の原因は、感情体験そのものが麻痺する「感情鈍麻」と、運動機能の抑制にあります。うつ病の初期症状における顔のサインとして、以下のような微細な変化が現れ始めます。
・ 会話中に口角が上がらなくなる
・ まばたきの頻度が減り、じっと一点を見つめるような虚ろな目つきになる
・ 喜ばしい話題に対しても、顔全体の皮膚がほとんど動かない
・ 顔の血色が失われ、全体的に浅黒く、あるいは土気色にくすんで見える
こうしたサインは、本人が自覚するよりも早く周囲が違和感として捉えるケースが多いため、見逃さない観察眼が求められます。