ドラッグストアの店頭で誰もが手にしたことのある、緑色の容器にリトルナースのイラストが描かれた「メンソレータム 薬用リップスティック」。実はここに、一般消費者が陥りやすい最大の落とし穴が存在します。メンソレータム薬用リップスティックの真相を明かすと、この製品は「医薬部外品(薬用)」であり、「医薬品」ではありません。
「薬用と書いてあるから、唇が割れて血が出ている時もこれを塗れば治る」と思い込んでいる人が少なくありません。しかし、医薬部外品の役割はあくまで「荒れ・乾燥の予防」です。主成分であるl-メントールやdl-カンフルは、清涼感を与えて局所の血行を促す作用を持つ反面、すでに皮がめくれ上がり亀裂が入った微小な傷口に対しては、強い接触刺激となって炎症を悪化させるリスクを孕んでいます。
長年リップケアを続けているのに一向に改善しないというケースの背景には、刺激成分が入った予防用リップを傷口に擦り込み続けているという逆効果のパターンが珍しくありません。出血を伴うひび割れや口角炎を患っている場合は、直ちに通常リップの塗布を中止し、組織修復成分(アラントイン)や抗炎症成分(グリチルレチン酸)を含んだ「第3類医薬品」(ロート製薬であればヒビプロLPやメディカルリップ)へ切り替えることが、唇の荒れ・ひび割れ改善の経緯において決定的な分水嶺となります。