消費者が現場でしばしば直面するのが、「同じグループなのに、都市部のビックカメラと郊外のコジマ×ビックカメラで店頭表示価格が違うのではないか」という疑問です。
結論から言えば、商品の型番が同一であっても、店頭表示価格に差が生じるケースは日常的に存在します。これは流通現場における地域マーケティングの原則に基づいています。
都市部のビックカメラ(有楽町、新宿、なんば等)は、競合するヨドバシカメラの旗艦店と至近距離で競合しており、かつ来店客の多くがスマートフォンで「価格.com」や自社ECの価格を即座に照会しながら回遊しています。そのため、デジタルガジェットやカメラ、PC関連機器は、最初から限界に近いネット対抗価格がプライスカードに印字されている傾向が見られます。
一方、ロードサイドに位置するコジマ×ビックカメラの主たる競合は、ヤマダデンキやケーズデンキです。ここでは来店客層の中心がシニア層やファミリー層であり、ネット最安値との秒単位の競争よりも、「配送・設置工事のスピード」「下取りの充実度」「対面でのわかりやすい説明」といった付加価値が重視されます。そのため、初期表示価格はメーカー希望小売価格や標準卸価格に近い設定にとどめられている事例が見受けられます。
ただし、現場取材で判明した重要な事実があります。それは、「ビックカメラ.com」の提示価格を店頭で見せた場合の値引き対抗力です。コジマ×ビックカメラの店頭において、「ビックカメラ公式オンラインの価格に合わせてほしい」と相談した場合、他社EC(Amazonや小規模通販業者)の価格には対応できなくても、グループのビックカメラ公式価格であれば原則として同額まで値引き、あるいはポイント還元による実質同額対応を受け入れる運用マニュアルが存在します。この「グループ内ネット価格の提示」は、郊外店舗で賢く買い物をするための必須テクニックです。