岩寺基晴の音楽的バックボーンは、北海道札幌市で過ごした青春時代にさかのぼります。高校時代に山口一郎と出会ったことが、彼の音楽人生の決定的な転機となりました。
当時から山口と共にバンド「ダッチマン(Dutchman)」を結成して活動を開始。初期はUKロックやギターポップからの影響を色濃く受けたストレートなバンドサウンドを追求していました。愛称である「モッチ」もこの学生時代からの呼び名であり、山口とは30年以上の付き合いを持つ盟友関係です。
2005年にサカナクションが結成され、エレクトロニックミュージックやクラブカルチャーの要素が大胆に取り入れられるようになると、岩寺のギタリストとしてのスタンスも劇的な進化を遂げます。従来の「ロックバンドのギター」という枠組みを自ら解体し、シンセサイザーのプログラミングやサンプラーの操作も並行して習得。バンド内でのサウンドプロデューサー・アレンジャーとしての才能を開花させました。
生楽器のダイナミズムとデジタルな構築美を両立できるハイブリッドなギタリスト像は、この長い試行錯誤の歴史の中で磨き上げられたものです。