物語のクライマックスとなる無限城決戦において、実弥は上弦の壱・黒死牟、そして鬼舞辻無惨との死闘に身を投じます。黒死牟戦では内臓が飛び出るほどの重傷を負いながらも、筋肉を緊張させて傷口を塞ぎ、日輪刀を足の指で握って戦うという超人的な執念を見せました。
激闘の末に勝利を収めたものの、鬼喰いによって身体が崩壊していく玄弥を抱きしめ、号泣しながら「神様どうか弟を連れて行かないでくれ」と乞う実弥の姿は、読者の涙腺を崩壊させました。最期に玄弥が遺した「兄ちゃんが笑って生きていてほしい」という言葉は、実弥の生きる意味を決定づけることになります。
無惨を討伐した後の最終回において、実弥は冨岡義勇とともに「生き残った2人の柱」の1人となりました。戦いが終わった後、禰豆子と再会した実弥は、かつて傷つけたことを謝罪し、玄弥の面影を重ねるように優しく頭を撫でて微笑みます。そこには、復讐の鬼と化していた頃の険しさはなく、穏やかな一人の青年の顔がありました。
【プロの結論】痣の発現と「25歳の寿命説」をどう捉えるべきか
作中では「痣を発現させた者は25歳を迎える前に命を落とす」という過酷な宿命が語られています。最終決戦時、実弥は21歳。設定上は数年以内に寿命を迎える可能性が極めて高いと考えられます。
しかし、現代編(最終回)では実弥の転生体または子孫と思われる警察官が登場しており、彼が過酷な運命を受け入れつつも誰かと温かな家庭を築き、血筋を未来へと繋いだことが示唆されています。トラウマと喪失に塗れた人生の中で、実弥が勝ち取った「人間として生きる時間」は、たとえ短くともかけがえのない光であったと言えます。