インターネット上の検索窓に「カレーうどん袋麺」と打ち込むと、サジェストに「売ってない理由」や「販売終了の真相」といった不穏なキーワードが並びます。愛好家が近所のスーパーを何軒回っても見つけられず、「ついに廃盤になったのか」と嘆く投稿も後を絶ちません。
流通アナリストや食品商社の仕入れ担当者への取材によると、主要メーカーの定番カレーうどん袋麺が全国的に完全終売となった事実は一切ありません。ではなぜ、実店舗の棚から姿を消してしまう現象が頻発するのでしょうか。その背景には、小売業界特有の「棚割り(プラノグラム)」と季節変動の力学が作用しています。
大手スーパーの即席麺コーナーは、限られた陳列スペースを巡って激しい陣取り合戦が行われています。一般的に醤油・味噌・塩・豚骨といったラーメンの基本4軸が通年棚の約70%以上を占め、うどん・そば系に割り振られる枠はごくわずかです。その限られた枠の中で、4月から8月にかけての春夏シーズンは「冷やし中華」や「ざる蕎麦」といった涼味麺に売り場を譲るため、温かい汁物の筆頭であるカレーうどんは真っ先に「季節棚落ち」の対象になりやすいのです。
また、東日本と西日本での配荷率の格差や、カップ麺タイプへの生産集約というメーカー側の戦略も影響しています。カップ型に比べて袋麺は単価が安く、物流コストが高止まりする近年の流通環境下では、地方の中小型スーパーほど取り扱いを絞り込む傾向が強まっています。実店舗で見当たらない場合は、終売を疑う前にAmazonや楽天などの主要ECサイト、あるいは大都市圏の大型旗艦スーパーの乾麺・袋麺コーナーを確認することが確実な入手ルートとなります。