この惨状に対して激しい警鐘を鳴らすのが、農業経済学の権威として知られる東京大学の鈴木宣弘教授だ。鈴木教授は、国内の米生産網が急速に縮小する現状について、「自給率の数字以上に、日本の食料安全保障そのものが壊滅的な打撃を受けかねない」と危惧する。
小麦や飼料の大部分を海外に依存する日本において、唯一自給が可能だった米の生産能力を失えば、国際情勢の緊迫や海上輸送ルートの寸断が起きた際に国民の命を繋ぐ手段が絶たれる。主食の生産基盤を市場原理だけに委ねてきたつけが、今まさに防衛上の脆さとなって表面化している。