『海月姫』を傑作たらしめている真の主役とも言えるのが、天水館に巣食うオタク集団「尼〜ず(あま〜ず)」です。美女であることを完全に忘れさせるほどの怪演を見せたキャスト陣は、その後日本のドラマ・映画界を支えるトッププレイヤーへと進化を遂げています。
特に注目すべきは、三国志オタク「まやや」と枯れ専「ジジ様」の配役です。
ドラマ版でまややを演じた内田理央は、普段のグラビアやモデルとしての華やかさを一切封印し、赤ジャージ姿に目元を覆う前髪、奇妙な手の動きと独特のだみ声を完璧にコピー。この突き抜けた怪演がブレイクの決定打となり、その後主演作を多数抱える個性派主演女優としての地位を確立しました。映画版で同役を演じた太田莉菜も、長身を折れ曲がらせるようなエキセントリックな動きで原作の持つシュールなギャグセンスを完全再現しました。
また、ドラマ版でジジ様を演じた木南晴夏は、実力派バイプレイヤーとしての実力を遺憾なく発揮。常に猫背で目立たぬよう佇みながら、時折見せる年上男性への熱い視線と的確なツッコミで画面を引き締めました。映画版の篠原ともえ、ばんばさん役の池脇千鶴(映画)や松井玲奈(ドラマ)、千代子役の富山えり子(ドラマ)や福島リラ(映画)に至るまで、キャスティングの妥協なきこだわりが今見返しても奇跡的なアンサンブルを生み出しています。