放送当時、週刊誌や芸能メディアを過熱させたのが、反町隆史と竹野内豊の「不仲説」でした。太陽のように明るく野性的な反町と、月のように静けさを湛えた竹野内。所属事務所も異なり、現場で馴れ合う姿を見せなかったことから、「カメラが止まると目も合わせない」「主演のクレジット順を巡って衝突した」といったセンセーショナルな報道が飛び交いました。
しかし、関係者の証言や後年の対談で明かされた現実は、まったく異なるものでした。撮影は千葉県館山市の布良(めら)海岸に建てられたオープンセットを中心に行われ、過酷な炎天下で連日朝から深夜まで敢行されました。当時を振り返るインタビューにおいて、反町隆史は「お互いに役柄の距離感を大切にしていたからこそ、あえて過度にベタベタしなかった。竹野内君がいてくれたから、自分は思い切り広海として暴れることができた」と述懐しています。
一方の竹野内豊も、「反町君の圧倒的なエネルギーに引っ張ってもらった。タイプの違う2人だったからこそ、お互いを心からリスペクトしていた」と語っており、不仲どころかプロフェッショナル同士の強固な信頼関係が存在していたことが証明されています。当時17歳でヒロイン・和泉真琴を演じた広末涼子の瑞々しい演技を、兄のような温かい眼差しで見守り、現場の空気を引き締めていたのもこの2人でした。
舞台となった布良海岸の民宿「ダイヤモンドヘッド」は、撮影終了後に惜しまれつつ解体されましたが、その痕跡を求めて訪れるファンは2026年の現在も絶えません。近隣の千倉町には有志によってカフェとして忠実に再現された空間が存在し、平成の夏を愛するファンたちの聖地巡礼拠点として機能しています。