現場で数々のタレントを担当するプロのヘアメイクアップアーティストは、黒髪がもたらす錯視効果についてこう指摘する。「黒という色は視覚的に最も重量感があり、輪郭を輪郭線のようにくっきりと縁取る効果を持ちます。骨格が華奢な方や、パーツの主張が優しくソフトな顔立ちの方に漆黒の髪を合わせると、顔全体が髪のインパクトに負けてしまい、顔が奥に引っこんで見えるのです」。
つまり、黒髪が似合わないと感じる芸能人は、決して美しさが不足しているわけではなく、むしろ「顔立ちの繊細さ」や「肌のトーンの軽やかさ」を持っている証左でもある。ヘアカラーを数トーン上げることで、顔の輪郭から強烈な黒の枠組みが外れ、本来持っている目の光や肌の血色感が前に押し出されるのだ。