ドラマ版から20余年の時を経た2021年春、演劇界に大きな激震が走りました。それが舞台『笑ゥせぇるすまん THE STAGE』の上演です。
喪黒福造役に抜擢されたのは、ミュージカル『刀剣乱舞』の加州清光役や舞台『NARUTO-ナルト-』のうちはサスケ役で絶大な人気を誇る佐藤流司。発表当初、ネット上では「2.5次元のイケメン俳優がなぜ喪黒福造なのか」「ビジュアルの乖離が激しすぎる」といった懐疑的な声が噴出しました。
しかし、品川プリンスホテル ステラボールで幕が上がると、評価は180度覆ることになります。演出を手掛けた小林顕作の奇抜な構成のもと、佐藤流司は漆黒のスーツをまとい、スタイリッシュな身のこなしに不気味な妖艶さを同居させました。全身を使ったダイナミックなアクション、圧倒的な声量による歌唱、そして観客の精神を侵食するような冷徹な視線——。原作のフォルムを無理に再現するのではなく、「人間の心のスキマに付け込む悪魔的な怪異」という本質をシャープに再定義したのです。
舞台ならではのライブ空間で放たれる「ドーン!」の重低音は劇場を揺るがし、オールドファンからも「まったく新しい解釈の喪黒福造として完全に成立している」と絶賛を浴びました。本作の成功は、キャラクターの外見的模倣にとどまらない、実写表現の新たな地平を切り拓いたと言えます。