彼を語る上で絶対に外せないのが、代名詞であり最大の武器でもある「ウエスタン・ラリアット」だ。左腕を一閃させ、相手の首元へ強烈な一撃を叩き込むこの技は、それまでのプロレス界における「大技」の概念を根底から覆した。
元々はフットボール選手時代の経験と、身体のバネを活かしたフォームから生み出された。極度の近視であったハンセンは、リング上で相手との正確な距離感を把握することが難しかったという。だからこそ、間合いに入った瞬間に全身の体重を乗せて振り抜く直感的な打撃が誕生した。フルスイングで放たれる左腕は、ガードの上からでも相手を吹き飛ばす威力を誇り、多くのレスラーをキャンバスに沈めてきた。計算し尽くされた技術というよりも、己の生存本能と圧倒的な身体能力が融合して生まれた唯一無二の必殺技だったのだ。