コンビニATMの前に立った利用者が最初に突き当たる壁、それは「そもそも振込メニューが存在しない」という事実です。多くの利用者が抱く「コンビニATMならどの銀行宛てでも自由に現金やカードで振り込める」というイメージは、ゆうちょ銀行に関しては大きな誤解を含んでいます。
セブン-イレブンに設置されたセブン銀行ATMや、ローソンに設置されたローソン銀行ATMでは、ゆうちょ銀行のキャッシュカードを挿入しても表示される基本取引は「お引き出し」「お預入れ」「残高照会」に限定されています。画面上で他行口座やゆうちょ口座への直接送金メニューを選択することは原則としてできません。取材現場でも「振込ボタンを探して何分も画面を往復した」という利用者の戸惑いが頻繁に報告されています。
ここで極めて重要になるのが、ファミリーマートイーネットゆうちょ端末と、同じファミマ内に設置されている「本物のゆうちょATM」の違いです。ファミリーマートの店内には、緑色の看板を掲げた「ゆうちょ銀行ATM(小型ATM)」が配備されている店舗と、提携の「E-net(イーネット)ATM」が置かれている店舗が混在しています。前者のゆうちょ銀行ATMであれば、郵便局内に設置されている端末と全く同様にキャッシュカードを用いた口座間送金(振替)や他行宛て振込が可能です。しかし、後者のイーネット端末では預託・引き出し機能が中心となり、通常のカード振込操作は制限されます。この店舗ごとのハードウェアの違いこそが、現場で混乱を引き起こす元凶となっています。