実際にカウンターへ座り、オーダー用紙に好みを記入して対峙した「100%とんこつ不使用ラーメン」は、一般的なラーメンファンの先入観を鮮やかに覆してくれます。お馴染みの「味集中カウンター」に重箱どんぶりが静かに運ばれ、漆黒の蓋を開けると、黄金色を帯びたクリーミーなスープの中央に一蘭のシンボルである「赤い秘伝のたれ」が鎮座しています。
レンゲですすったスープのファーストアタックは、まさに衝撃的です。豚骨特有の骨っぽさや獣臭は皆無であるにもかかわらず、舌にまとわりつく油膜の滑らかさと豊かな甘みは、通常の一蘭のスープを想起させるほどの濃度を誇ります。「あっさりした鶏ラーメン」を想像して訪れた利用者は、その濃厚でパンチの効いたコクに驚くことになります。丁寧に乳化させた鶏の脂と濃縮出汁が、舌の上で豊かな旨味へと昇華していく仕掛けです。
自家製の特製生麺は、スープの持ち上げを計算し尽くした極細ストレート麺。茹で加減を「かため」や「超かため」で注文すると、パツンとした歯切れの良さと小麦の芳醇な香りがより鮮明に際立ちます。そして具材の主役である「牛弥栄」を口に運ぶと、じっくり炊き込まれた牛肉の繊維がホロホロとほどけ、上質な脂の甘みがスープの塩味と絶妙に交錯します。
後半、中央の赤い秘伝のたれをスープ全体へ徐々に溶かし込んでいくと、唐辛子の辛味と秘伝の調味料が鶏スープの甘みをキリリと引き締め、最後まで飲み干さずにはいられない重層的な味のグラデーションが完成します。SNS上の口コミ評判を見ても、「豚を使っていないと言われなければ気づかない」「むしろ通常の一蘭より後味が軽やかで食べやすい」という高評価が目立っており、単なる変わり種ではない完成度の高さがうかがえます。