名古屋での騒動以降、改めてスポットが当てられたのが衛生上のリスクとメダルの物理的な保護問題だ。人間の口腔内には無数の細菌が存在する。他人の所有物に唾液を付着させる行為は感染症対策の観点から極めて不適切であるだけでなく、自分自身のメダルであっても、その後の保管状態によってはカビや変色の原因となる。
さらに、メダリストたちの歯圧は想像以上に強い。強い噛み合わせによって金メッキの薄い被膜に微細な亀裂が生じると、内部の銀が空気に触れて酸化が進み、輝きが失われるリスクがある。造幣局やメダル製作に携わる職人たちからも、「極めて繊細な表面仕上げを施しているため、金属に圧力をかける行為は避けてほしい」という技術的立場からの懸念が示されている。