歴史的な結婚発表の舞台裏は、まさに映画のワンシーンを凌駕するドラマに満ちていました。発端となったのは、2000年11月23日。一部スポーツ紙が「工藤静香が妊娠4ヶ月、木村拓哉と年内結婚へ」と朝刊でスクープを打ったことでした。メディア各社が色めき立つ中、木村拓哉さんは当日夜に控えていたSMAPの全国ツアー「FLY! TOUR 2000」東京ドーム公演の開演直前、同会場内の特設会場で緊急単独記者会見を開きました。
無数のフラッシュが焚かれる中、木村拓哉さんは黒のレザージャケットに身を包み、揺るぎない眼差しでマイクの前に現れました。詰めかけた芸能記者からの「お相手は工藤静香さんですか?」という愚問とも言える確認に対し、わずかに口角を上げ、間髪を入れずにこう言い放ちました。
「それ以外、誰がいるんですか」
逃げも隠れもせず、愛するパートナーの存在を堂々と肯定したこの一言は、ワイドショーを通じて瞬く間に全国へ拡散され、平成芸能史を代表する屈指の名言として語り継がれることになります。工藤静香さんがすでに妊娠していることも自らの口で事実と認め、誠心誠意、事実関係を説明しました。
さらに会見直後、木村拓哉さんは満員の東京ドームのステージへと向かいました。ライブ開演前、暗転した巨大スタジアムにスポットライトが差し込み、彼がたったひとりでセンターステージへ歩み出ると、5万5000人のファンからは割れんばかりの歓声と動揺の悲鳴が交錯しました。「今回、僕が結婚することになりました」と自らの生の声でファンに報告した瞬間、客席のあちこちから崩れ落ちて号泣するファンの姿が目撃されました。事務所の事後報告ではなく、自らの言葉で直接ファンに伝える道を選んだ彼の誠意は、今なおファンの間で伝説として記憶されています。