土用餅の起源は、遠く宮中行事に用いられた「ガガイモ」の葉の汁で練った餅にまで遡ります。江戸時代中期になると、小豆で作った餡で餅を包む「あんころ餅」の形態が定着し、庶民の夏の風物詩として定着しました。
陰陽五行思想において、季節の変わり目である「土用」の期間は、万物のバランスが崩れやすく体調を崩しやすい厄災の時期とされてきました。そこで重宝されたのが「小豆の赤い色」です。古代より赤は太陽や炎を象徴し、邪気を祓う魔除けの力があると信じられてきました。さらに、力持ちの語源にも通じる粘り強い「餅」を組み合わせることで、「暑気あたり(夏バテ)を防ぎ、無病息災で夏を越す」という祈願食としての土用餅が完成したのです。