「油で揚げないと、どうしてもパンの耳がふにゃっとしてしまうのではないか」という疑問を持つ方は少なくありません。しかし、パンの耳がサクサクになる物理的メカニズムは、油による脱水だけではありません。熱風や電磁波を利用して内部の水分を効率的に蒸発させ、デンプンをα化・乾燥固定させることで、ノンフライでも驚くほどのクリスピー感を実現できます。
揚げない調理で最も重要な秘訣は、「電子レンジによる予備乾燥」にあります。クックパッドの人気揚げないパンの耳レシピや料理研究家の検証データによると、切ったパンの耳を耐熱皿に重ならないように並べ、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で1分30秒〜2分ほど加熱することで、余分な水分が一気に蒸発します。この下処理によって、パンの耳の内部がスポンジ状の多孔質構造のまま固定され、その後のトースターやフライパンでの焼き上げ時間が大幅に短縮され、ムラなく香ばしい焼き色がつくのです。
また、少量のバターやオリーブオイルを表面に絡めるだけで、メイラード反応(糖とアミノ酸が加熱されて褐色になり香ばしさを生む反応)が促進され、揚げ物特有のコクと香ばしさを完全に再現することが可能になります。油の吸収量を通常の揚げ調理に比べて最大で約60〜70%カットできるため、健康管理を意識する世帯にとって極めて合理的な調理法といえます。