決勝トーナメント1回戦、日本は優勝候補の一角であるベルギー代表と対峙しました。下馬評を覆し、後半開始早々に原口元気の鋭い抜け出しからのゴール、さらに乾貴士の芸術的な無回転ミドルシュートが決まり、日本が2-0と世界を驚愕させるリードを奪います。
しかし、ここからベルギーの猛反撃が始まります。ロベルト・マルティネス監督はフェライニとシャドリの長身アタッカーを同時投入し、徹底したハイボール攻撃へシフト。ヤン・フェルトンゲンのヘディング、そしてフェライニの打点の高いヘッドで同点に追いつかれます。
そして迎えた後半アディショナルタイム(90+4分)、運命の場面が訪れます。日本の左CKからGKティボー・クルトワがキャッチし、そこから始まったカウンターが完結するまでの時間はわずか14秒でした。
【ベルギー戦 ロストフの14秒の真相】
- 0秒〜4秒:クルトワが素早くスローイング。右サイドのデ・ブライネへボールが渡る。日本守備陣は前線から戻りきれず。
- 5秒〜9秒:デ・ブライネが驚異的な推進力で中央をドリブル突破。日本の戻りが一瞬遅れ、数的同数(3対3)を作られる。
- 10秒〜12秒:右サイドを駆け上がったムニエへ展開。ルカクがニアサイドへ走り込んで日本のDFを引きつけるスルーを選択。
- 13秒〜14秒:ファーサイドにフリーで走り込んできたナセル・シャドリが左足で冷静に流し込み、試合終了のホイッスル。
後の検証ドキュメンタリーや選手たちの証言によれば、CKの場面で「延長戦を見据えて時間を使うか、このCKで仕留めるか」の意思統一がピッチ上で曖昧になっていました。世界最高峰のトランジションスピードを誇るベルギーに対し、わずか1秒の躊躇と戻りの遅れが致命傷となったのです。この「ロストフの14秒」は、日本サッカーがベスト8の壁を越えるために越えなければならない絶対的な基準値として、今なお語り継がれています。