山本耕史のキャリアを語るうえで欠かせないのが、舞台という表現の原点だ。幼少期からモデルや子役として芸能活動を開始した彼は、若くしてエンターテインメントの基礎を体得していた。しかし、彼の真価が広く世に轟くきっかけとなったのは、1998年のミュージカル日本初演版『RENT』でのマーク役だった。
ブロードウェイの熱気をそのまま体現し、圧倒的な歌唱力と疾走感溢れる演技で観客を魅了したその姿は、日本のミュージカルシーンに鮮烈な衝撃を与えた。生身の人間が放つ熱量、舞台上の刹那的な輝き。この時期に培われた圧倒的な舞台度胸と確かな表現技術が、その後の彼の俳優人生における強固な基盤となったことは疑いようがない。