著者の旺盛な創作意欲は、デビューから20年近くが経過した現在も衰える兆しがありません。2026年に刊行された単行本『プラチナハーケン1980』は、『ブラックペアン1988』へと続く佐伯外科の黎明期を描き切り、往年のファンから熱狂的な歓迎を受けました。
さらに出版界の最新動向として、近代日本の種痘や医学所創設に命を捧げた名医を描く『蘭医繚乱 洪庵と泰然』などの医学歴史巨編の文庫化や、剣道を通じた青春と医療を交錯させる『ひかりの剣 1988』の再脚光など、単なる病院ミステリーの枠を完全に超越した「日本医学史の年代記」を構築しつつあります。現代の医療崩壊を見据えながら、過去の先人たちの気概を掘り起こすその作風は、2026年を迎えた現在、より一層の深みと重厚さを獲得しています。