環境問題や持続可能性(サステナビリティ)が声高に叫ばれる中、説教くさい義務感に疲れた人々が注目したのもまた、江戸の生活美学だった。当時の人々は、モノを大切に使い切ることを「我慢」ではなく「格好いいこと」として実践していた。
使い古した布を補修して新たな味わいを楽しむ「金継ぎ」や「刺し子」。これらは今、欧米のトレンドセッターからも絶賛されている。「環境のために我慢する」のではなく、「使い込むほどに味わいが増す変化を愉しむ」。この発想の転換こそ、無理なく続けられる真のサステナビリティだろう。過剰な廃棄を避け、お気に入りの少数を長く愛でる姿は、現代において最高にスマートな生き方と映る。