ベランダプールに起因する近隣トラブルの中で、法的な損害賠償問題に直結しやすいのが階下への水漏れと排水溝のオーバーフローです。
集合住宅のベランダ排水溝は、通常の雨水を流す設計になっており、短時間で数十〜数百リットルのプール水を一気に排水する構造にはなっていません。排水溝に溜まった土埃や落ち葉、髪の毛が詰まりを起こすと、プールから抜いた水が隣戸のベランダへ越境侵入したり、サッシの隙間から階下の部屋へ浸水して天井や壁紙を汚損させます。
民法第709条(不法行為責任)および第717条(土地工作物責任)に基づき、階下の家具や家電、衣類を汚損させた場合の賠償額は数十万円から数百万円規模に膨らむ事例も報告されています。
物理的な水漏れと並んで苦情の首位を占めるのが騒音問題です。ベランダは壁や天井がコンクリートで囲まれており、反響によって想像以上に音が周囲へ拡散します。子どもたちの甲高い歓声やバタ足の水音は、リモートワーク中の隣人や夜勤明けで就寝中の居住者にとって耐え難いストレスとなり、感情的な対立へと激化します。