テクノロジーや企業教育(eラーニング)の現場で「Tin Can」と聞けば、それは学習データ規格「Tin Can API(通称:xAPI)」を指します。2000年代初頭から広く普及していた「SCORM(スコーム)」という規格には、LMS(学習管理システム)のブラウザ内で完結するテスト結果や進捗状況しか記録できないという致命的な弱点がありました。
2013年、米国国防総省の関連機関ADL(Advanced Distributed Learning)が開発した次世代規格がxAPIです。開発段階のコードネームが「Tin Can」と名付けられた理由は、「2つのシステムがまるで子どもの糸電話(tin can telephone)のように、シンプルかつ確実に双方向でデータをやり取りできるようにする」という開発思想に由来しています。
xAPIの登場により、従来の「画面の前に座ってスライドをめくったか」という単純な計測から、「シミュレーターでどの手順を誤ったか」「現場でどのマニュアルを参照したか」といった実践的な行動データの可視化が可能になりました。