インパクト勝負のタレントが数多く現れては消えていく世界で、一度見たら二度と忘れないビジュアルを半世紀近く維持し続けることは並大抵ではない。レンズの入っていない黒縁メガネとおかっぱ頭という奇抜なスタイルは、単なるウケ狙いの産物ではなかった。大衆の記憶に一瞬で滑り込み、警戒心を解くための完璧に計算されたプロフェッショナルとしての「鎧」だったのだ。
司会台に立つ彼の姿は、どこか近所の気のいい叔父さんのようでありながら、現場全体を俯瞰する冷徹なまでの観察眼を宿していた。素人が何を言い出しても瞬時に拾い上げ、絶妙な合いの手で爆笑に変える。誰も傷つけずに場を沸かせるその手腕は、テレビが最も大衆と密接だった時代を象徴する職人技そのものであった。