「見かけなくなった気がする」という人々の実感は、決して気のせいではありません。鳥類生態学の権威である立教大学の三上修教授らの研究チームによる個体数調査や、環境省の「モニタリングサイト1000」の長期モニタリングデータによって、恐るべき減少率が証明されています。
1960年代から1970年代にかけて日本全国に数千万羽から数億羽が生息していたと推定されるスズメですが、近年の推計では約1,800万羽前後にまで落ち込んでいると試算されています。研究者によっては「過去50年で約8割が失われた」と指摘する試算もあり、これは野生鳥類の減少スピードとしては極めて異常な数値です。
野生生物の個体数が数十年という短期間で半減以下になる現象は、生態学的には「個体群の崩壊プロセス」に足を踏み入れている状態とみなされます。普段の生活で日常的に見かけるため実感が薄れがちですが、統計データが示す数字は極めて冷酷です。