観光社会学の視座から「奥道後 壱湯の守」を俯瞰すると、同館は「高度経済成長期のマスツーリズムが生んだ巨大インフラを、令和の体験価値重視型ツーリズムへとどう適応させるか」という難題に対する、日本旅館再生の優れたケーススタディであることが分かります。
かつての「団体客を閉じ込めて消費させる歓楽街型ホテル」から、自然と一体化する「ウェルネス&ネイチャーリゾート」へと舵を切った戦略は称賛に値します。しかし、何千坪もの延床面積を持つメガ構造そのものを完全に消し去ることは不可能です。この「スケール感の残滓」をどう捉えるかによって、利用者の満足度は二極化します。
以上を踏まえ、当メディア編集部が提示する「選ぶべき人」と「避けるべき人」の客観的判断基準は以下の通りです。
【壱湯の守を選ぶべき人】
・泉質を第一に求め、大自然の中で開放感抜群の広大な露天風呂を満喫したい人
・瀬戸内の海の幸やバイキングを家族・グループで気兼ねなく楽しみたい人
・道後温泉の喧騒から少し離れ、川のせせらぎや渓谷美に癒やされたい人
・多少の館内移動は気にならず、昭和から続く名門ホテルの歴史空間を楽しめる人
【壱湯の守を慎重に検討・回避すべき人】
・足腰に不安があり、エレベーターから大浴場や食事会場までの長距離歩行が困難な高齢者連れ
・真新しいラグジュアリーホテルのような、一切の古さを感じさせない均一なデザインを求める人
・客室数が少なく、静けさとプライベート感が徹底的に保たれたスモールラグジュアリー旅館を好む人