「ルイボスティーは肝臓に悪いのか」という問いに対する医学的な回答は、「一般的な飲用量であれば誤りだが、極端な過剰摂取や特定条件下では例外的なリスクが存在する」という二面性を持ちます。火のないところに煙は立たないと言われる通り、この噂には明確な発端となった医療現場の報告が存在していました。
ネット上で不安が拡大した最大の根拠は、ヨーロッパやアメリカの医学専門誌で過去に報告された薬物性肝障害ルイボスティー症例です。報告された事例では、患者が長期間にわたり極端に濃縮されたルイボス製剤を連用していたケースや、1日に数リットル単位の異常な過剰摂取を継続していた背景が記録されています。生体が異物や高濃度の植物化学物質(フィトケミカル)を分解・代謝する際、代謝の中枢である肝細胞に過大な負荷がかかり、一時的な肝細胞障害性または胆汁うっ滞型の肝機能障害を引き起こしたと推定されています。
国内の医療従事者やBtjフーディーラボなどの調査データによると、通常のティーバッグや茶葉から抽出したルイボスティーを1日2〜3杯飲む程度で、肝機能数値の悪化や重篤な有害事象が確認された例は実質的に皆無に等しいレベルです。それにもかかわらず、医学論文に掲載された「極めて稀な臨床例」の断片が、SNSやWebメディアの見出しでセンセーショナルに切り取られ、「ルイボスティーを飲むと肝臓を壊す」という極論へすり替わって拡散したのが事の真相と言えます。