福岡のグルメシーンにおいて、一度聞いたら絶対に忘れられないインパクトを誇る「ころしのカレー」。初見の人が抱く「食べたら命の危険がある激辛カレーなのでは」という恐怖交じりの疑問に対し、創業の歴史が明かす真相は実に人間味に溢れたものです。
店主が過去のメディア取材や常連客に語ってきた証言によると、この物騒な名前のルーツは「女性をイチコロにするカレー」というフレーズにあります。かつてバーや飲食店を営んでいたマスターが、自信作のカレーを振る舞った際に「この味ならどんな女性もイチコロだ」「女殺しのカレーだな」と評判になったことが発端でした。それがいつしか略され、「ころしのカレー」という屋号として定着したという経緯があります。
決して客を痛めつけるための激辛料理という意味ではなく、一口食べればそのコクと旨味に誰もが虜(とりこ)になってしまう――そんな料理人としての強烈な自信と茶目っ気が込められたネーミングなのです。