毎年、膨大な応募作品の審査に当たる美術教育関係者や警察関係者の講評を分析すると、高評価を獲得する作品には揺るぎない共通項が見えてきます。多くの応募者が「細かく描き込むこと」に注力しがちですが、審査会場に並べられた際に真っ先に拾い上げられるのは、遠目からでも主題が即座に理解できるポスターです。
第1の鉄則は「主役(主モチーフ)の画面占有率が50%以上」であること。信号機、自転車のヘルメット、歩行者の手元のスマートフォンなど、伝えたい警告の中心が画面の半分近くをダイナミックに占めている作品は、視覚的インパクトで圧倒します。
第2の鉄則は「明快な補色対比とコントラスト」です。背景の道路(アスファルトのグレーや青空)に対して、警告色のイエローやレッド、あるいは蛍光トーンを主役に配置することで、視線が迷わずメッセージに集約されます。
そして第3の鉄則が「絵と文字の役割分担」です。絵で状況を語り尽くし、文字は必要最小限の短く鋭い言葉に留める。文字が小さすぎたり、絵と重なって読めなかったりする作品は、どれほど描写が緻密であっても選考の土台から外れてしまうのが現実です。