近年、欧米をはじめ日本国内でも大きな広がりを見せる「トゥルークライム(ノンフィクション犯罪実録)」に対する関心は、単なる好奇心の対象を超えて社会的な検証ムーブメントへと昇華している。惨劇の事実をどう伝え、被害者の尊厳をいかに守るかという課題は、現代の報道メディア産業全体に重い問いを突きつける。
過度なセンセーショナリズムを排し、事実に基づいた検証を徹底するジャーナリズム精神こそが、風化の波に抗う最大の防波堤となる。メディアが継続的に事件の存在を問い直すことによって、社会全体の記憶が刷新され、風化という名の二次的な忘却を防ぐ役割を果たしている。