近年、ドラッグストアやネット通販で手軽に入手できる口テープ 睡眠グッズが大きなブームとなっています。唇にテープを貼って物理的に開口を防ぐ手法は、軽度の筋力低下や単なる癖に対しては一定の有効性を示します。しかし、ここには専門医が警鐘を鳴らす重大な盲点が存在します。
最大の禁忌は、鼻腔が完全に詰まっている状態で口テープを使用することです。鼻呼吸が物理的に不可能な状態で口を塞ぐと、著しい呼吸困難や急激な血中酸素濃度の低下を招き、最悪の場合、睡眠中の窒息や不整脈を誘発する恐れがあります。また、テープの粘着成分による口唇炎や皮膚トラブルも頻発しています。
口テープはあくまで「鼻呼吸の通気が確保されている人」が、閉口習慣を取り戻すための補助ツールに過ぎません。「テープを貼れば根本的に治る」という短絡的な認識は捨て、根本原因の除去と並行して慎重に導入する必要があります。