深夜2時に覚醒してしまう謎を解く第一の鍵は、人間が本来持っている睡眠サイクルの構造にあります。人の睡眠は、脳を休める「ノンレム睡眠(深い眠り)」と、身体を休め脳が記憶の整理を行う「レム睡眠(浅い眠り)」が約90分から110分の周期で交互に繰り返されています。
仮に夜の23時前後にベッドへ入った場合、入眠直後に最も深いノンレム睡眠(ステージ3〜4の徐波睡眠)へ到達します。この最初の深い眠りが完了し、2回目の睡眠サイクルへと移行する境界線が、ちょうど就寝から2時間半〜3時間後、すなわち「午前1時30分〜2時過ぎ」にあたります。
健やかな状態であれば、睡眠周期の浅い波を迎えても無意識のうちに寝返りを打ち、次のノンレム睡眠へと移行します。しかし、何らかの内的要因によって脳の覚醒閾値(目が覚める境界線)が下がっていると、この睡眠が浅くなるタイミングで意識が浮上し、パチッと目が開いてしまいます。呼吸器内科やアレルギー疾患、睡眠医療を手がける「やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック」の山口裕礼院長も、臨床の場で「トイレに起きるわけでもないのに、毎日ほぼ同じ2時や3時に目が覚めてしまう」という悩みが急増している実態を指摘しています。つまり、深夜2時の覚醒は意志の弱さや単なる偶然ではなく、精巧な体内時計と睡眠周期が狂わされた結果なのです。