ナオト・インティライミというアーティストに対して、世間の一部では「常にハイテンションで陽気なお祭り男」というパブリックイメージが先行しがちです。しかし、このステレオタイプな理解は、彼の音楽的本質を見誤る原因となっています。
実際には、彼の音楽性の根幹を成すのは緻密なソングライティング理論と、泥臭い下積み時代に培われた圧倒的なリアリズムです。かつて一度メジャー契約を失い、自らの足で世界を旅しながらストリートライブで日銭を稼いだ経験や、幾度もの挫折を乗り越えて再デビューを果たしたキャリアは、軽薄なポジティブシンキングとは対極に位置します。
「Brave」が単なる元気ソングにとどまらず、ビターな現実を受け止めた上での希望を描けているのは、作り手自身のリアルな痛みが生々しく刻まれているからです。「明るいナオト」の奥にある「思索的でストイックなナオト」の作家性が最も色濃く出た楽曲の一つが、まさにこの「Brave」であると言えます。