大仕掛けのエンターテインメント大作でも、衣装が放つ説得力は群を抜いている。超大作映画『キングダム』で演じた山民の王・楊端和の衣装は、重厚な甲冑と優美な布が入り混じる高難度の造形だった。肉体を極限まで絞り込み、重厚な衣装を軽やかに操る立ち回りは、観客を古代の戦場へと引きずり込んだ。
対照的に『シン・ウルトラマン』では、洗練されたスーツスタイルと無駄のないミニマルな装いが印象的だった。巨大化する極限のSF世界の中で、スーツのラインひとつで知的かつ強靭な人間の気概を表現してみせた。キャラクターのバックボーンを衣服の細部まで落とし込む技巧は、まさに職人技である。