幸せな家庭生活の歯車を狂わせたのは、2016年前後に判明したKIDさんの胃がんでした。発覚時点で病状はかなり進行しており、闘病生活は過酷を極めました。周囲に弱みを見せることを極端に嫌ったKIDさんは、病気の事実を極めて限られた親族やジムの最側近以外には伏せ、静かに療養を続ける道を選びました。
治療の舞台となったのが、KIDさんが愛した常夏の島・グアムでした。ゆいさんは当時まだ乳幼児だった娘2人を抱えながら、日本とグアムを往復し、夫の看病を一手に担いました。食事療法や体力維持のための特別食の調理、痛みに苦しむ夫の身体のマッサージ、そして何より「絶対に奇跡を起こしてリングに戻る」という夫の闘争心を精神面から支え続けました。
2018年8月26日、KIDさんは自身のInstagramでがん闘病中であることを初めて公表。世界中のファンから祈りと声援が寄せられましたが、そのわずか3週間後の9月18日、家族に見守られながら永遠の眠りにつきました。息を引き取る瞬間まで、ゆいさんは夫の冷たくなりゆく手を握り締め、感謝と愛を伝え続けたと報じられています。その献身的な姿勢は、山本家の親族からも深く感謝されています。