脳動脈瘤が5mm未満の比較的小さいサイズで見つかった場合、すぐに開頭クリッピング術や脳血管内治療(コイル塞栓術)を選択せず、「半年に1回または1年に1回の画像検査と内服による経過観察」を選択する患者が日本国内には数十万人規模で存在します。
大手医療機関の脳神経外科外来を取材すると、経過観察中の患者が直面するメンタル面の負荷は決して小さくありません。定期通院中の50代女性患者は診察室で次のように胸の内を吐露しています。「頭の中に時限爆弾を抱えているような恐怖が消えず、少し頭痛がするだけで『破裂したのではないか』とパニックになる。降圧剤を毎日几帳面に飲むことだけが、自分にできる唯一の命綱です」。SNSや当事者コミュニティの投稿を検証しても、手術の身体的リスク(脳梗塞や神経障害の合併症率約1〜3%)と、無治療で放置する破裂の不安の間で激しく揺れ動く患者心理が浮き彫りになっています。
現場の医師が口を揃えるのは、「不安だからといって血圧測定を怠ったり、逆に過度な心配から血圧を急激に上昇させてしまう悪循環を防ぐこと」の大切さです。処方された薬を正しく服用し、記録した血圧手帳を医師と共有すること自体が、患者の精神的安定と破裂リスク抑制を両立させる不可欠なプロセスとなっています。