近年、SNSや自己啓発コミュニティを中心に「二兎を追う者は一兎をも得ずには、実は知られていない続きがある」という言説が飛び交う場面が増えました。検索エンジンでも「続き」というサジェストが頻繁に浮上します。
ネット上で語られる代表的なフレーズには、以下のようなバリエーションが存在します。
・「二兎を追う者は一兎をも得ず、されど三兎を追う者は三兎を得る」
・「二兎を追う者だけが、二兎を得ることができる」
・「二兎を追う者は一兎をも得ず、一兎を追う者は二兎を得る」
文献調査および国立国会図書館のデジタルアーカイブ、主要な辞書編纂(デジタル大辞泉、imidas等)の記録を精査したところ、歴史的な古典文学やラテン語原典において、公式な「続きの句」が存在した事実は一切ありません。
これらはすべて、後世の小説家、劇作家、あるいは現代のビジネス系インフルエンサーが、ことわざの持つ「消極的な諦め」を打破し、挑戦精神を鼓舞するために考案したキャッチコピーや創作スローガンです。「常識を覆す意外な結末」としてネット上でシェアされやすい構造を持っていますが、古典的な教訓としては一文で完結しているのが真実です。