プリンスルートの行程は、セクションごとに劇的に変化する地形を攻略していく楽しさがあります。
① 富士宮口から宝永第一火口へのトラバース
富士宮口五合目から六合目を経て、宝永山方面への連絡道を緩やかに進みます。樹林帯を抜けると視界が一気に開け、巨大なすり鉢状の宝永第一火口が目の前に現れます。火口底のベンチは最初の休憩スポットに最適です。
② 最大の難所「馬の背」の登り方と注意点
火口底から御殿場ルートへと抜ける急斜面「馬の背」は、足元が細かい火山砂礫(ザレ場)で覆われており、「一歩進むと半歩ずり落ちる」過酷な登りが続きます。ここでは焦らず歩幅を小さくし、トレッキングポールを活用して体重を分散させる技術が欠かせません。また、遮るもののない稜線のため突風が吹き荒れやすく、強風時のバランス保持と低体温症対策には厳重な警戒が必要です。
③ 御殿場ルート合流から山頂へ
馬の背を登りきると、御殿場ルートの六合目付近に合流します。ここからは標高3,000メートルを超える高高度の登攀です。空気が一段と薄くなるため、深呼吸を意識しながら一定のリズムで一歩一歩高度を稼ぎます。
④ 爽快無比な「大砂走り」による下山
山頂を踏破した後の下山路では、御殿場ルート名物の大砂走りが待っています。厚い火山灰のクッションに踵から踏み込み、大股でテンポよく駆け下りる体験はプリンスルートのフィナーレにふさわしい爽快感です。ただし、小石や砂が靴内に容赦なく侵入するため、ロングスパッツ(ゲイター)の装着と防塵用マスクの着用が必須装備となります。