刈払機のナイロンコード巻き方で作業者が最初につまずくのが、スプールを取り外した瞬間に方向感覚を失う現象です。国内で流通する刈払機の9割以上は上から見て反時計回り(左回り)に刃が回転します。そのため、回転遠心力と草の抵抗でコードが自然に解けてしまわないよう、スプール内には回転方向とは逆、すなわち時計回り(右回り)に巻き取っていく設計が基本構造です。
現在市販されているほぼすべての製品には、スプール側面にナイロンコード巻く向き矢印が刻印されています。ただし、屋外の砂埃や摩耗で刻印が見えづらくなっているケースも珍しくありません。その際は「コードの先端が出る出口(アイレット)に向かって、引っ張られたときに締まる方向」と身体で覚えておくのが確実です。
標準的な手動・半自動スプールにおける具体的なナイロンカッター交換手順は以下のステップで進めます。
まず、準備するナイロンコード長さ基準は1本あたり2.5m〜3.0m(2本出しタイプなら計5m前後)が適正値です。「何度も交換するのが面倒だから」と4m以上詰め込む行為は、スプール内部のキャパシティを超えて膨らみ、内部ロックを引き起こす最大の原因になります。
コードの中央をスプール中央の仕切りにある溝(フック)へ引っ掛け、2本のコードが上下の段に分かれるように配分します。ここでの最大のコツは、指先に常に一定のテンションをかけ、親指の腹で押さえつけながら均等に並列巻きすることです。2本のコードが途中で交差(クロス)してしまうと、繰り出し時に下側のコードが上側のコードを挟み込み、絶対に出てこなくなります。巻き終わったら、スプール外周の仮止めスリットへ先端を差し込み、ケースへ戻してアイレットからコードを引き出せば完了です。慣れれば工具なしで3分から5分で完了する作業です。