歴代の40度超え地域一覧を精査すると、多くの人が抱く「南の地域ほど暑い」という直感が覆されます。新潟県の中条(40.8℃)や三条(40.4℃)、山形県の鶴岡(40.4℃)など、東北や北陸の日本海側地域が複数ランクインしている事実は、気象現象の複雑さを物語っています。
これらの北国で記録的猛暑が発生する最大の要因は、フェーン現象のメカニズムです。台風や低気圧が日本海を通過する際、太平洋側から湿った空気が日本列島の中央山脈(越後山脈や奥羽山脈など)にぶつかります。空気は山を登る過程で雨を降らせて水分を失い、100メートル上昇するごとに約0.5度ずつ冷やされます。
水分を失って乾燥した空気は、山頂を越えて日本海側へと吹き降ります。この下降時に、乾燥した空気は「100メートル下降するごとに約1.0度」という急速なペースで断熱圧縮され、加熱されます。その結果、山を越える前よりも遥かに高温で乾燥した熱風となって日本海側の平野部に吹き荒れることになります。日本海側の地域では、真夏に南風が強まる条件下において、突発的かつ破壊的な40度超えの猛暑が観測される構造となっています。