なべおさみ自身は、メディアの取材に対して「私は彼女の免疫力を高める手助けをしただけだ」といった趣旨の発言を残している。彼にとってそれは売名行為ではなく、純粋な善意による支援だったのかもしれない。しかし、池江の母親をはじめとする家族もまた、娘を救いたい一心で藁にもすがる思いだったことは想像に難くない。
結果として池江は驚異的な回復を見せ、プールに戻ってきた。この「奇跡」の要因が、抗がん剤治療や骨髄移植といった現代医学の成果であることは明白だが、なべとの時間が彼女の闘志を支えた一面があったことも否定しきれない。家族と周囲の大人たちが下した決断は、今もなお複雑な余韻を残している。