ザクッ、ザクッ。御苑を歩くとき、誰もが耳にするあの独特の音。一面に敷き詰められた白い砂利は、かつて侵入者の足音を聞き分ける防犯の意味もあったとされるが、現代においては都市のノイズを吸収する天然のフィルターとして機能している。
ベンチで文庫本をめくる高齢男性の横を、幼い子どもを乗せたママチャリが通り過ぎる。木漏れ日の中でスケッチを楽しむ美大生の姿もある。観光化の波が押し寄せつつも、ここには確固たる市民の「日常」が根を張っている。この日常の風景こそが、テーマパークにはない本物の魅力を醸し出しているのだ。