ペット関連の情報やSNS上で最も頻発している誤解が、「ペットショップで販売されているモモンガを飼えば、ムササビのような滑空を家で見られるのか」という疑問です。ここには生物学的な大きな落とし穴が存在します。
現在、家庭で飼育されているいわゆる「モモンガ」のほぼ100%は「フクロモモンガ(Sugar Glider)」です。フクロモモンガはオーストラリアやインドネシア原産の小型動物で、分類学上はリス科(齧歯目)ではなく、コアラやカンガルーと同じ有袋類(双前歯目)に属します。腹部に育児嚢(ポケット)を持ち、子どもを袋の中で育てる点で、胎盤を持つ日本のモモンガとは進化の系統からして全く異なる生き物です。
日本の森林に棲む「ニホンモモンガ」「エゾモモンガ」「ムササビ」はすべて野生のリス科動物であり、鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)によって捕獲・飼育・譲渡が厳重に禁じられています。違反した場合は法的な罰則の対象となります。野生の個体を保護目的であっても無許可で連れ帰ることはできません。