審判員の判定精度は、ファンの主観や感覚だけで裁かれているわけではありません。NPBでは現在、極めてシビアかつ客観的な評価システム(インスペクター制度)が張り巡らされています。
全試合において、元審判員などで構成される審判技術委員がバックネット裏や映像室から一挙手一投足を監視しています。ストライク・ボールの正確性(ストライクゾーンの一貫性)、アウト・セーフの判定位置(アングルと距離の取り方)、フォーメーションの動き、さらには投球間隔の管理や選手・監督との対立時におけるゲームコントロール能力まで、数十項目に及ぶ詳細な採点シートが毎試合作成されます。
このデータはシーズンを通じて蓄積され、審判員個人のレーティングとして数値化されます。評価が一定ラインを下回った審判員には容赦ない措置が待っています。
一軍で判定のブレが目立った審判員は、シーズン途中であっても二軍への降格配置転換が命じられます。二軍降格は単なる持ち場の変更にとどまらず、1試合あたり数万円支給される一軍出場手当が途絶えることを意味し、経済的にも大きな打撃となります。そして、この査定データで下位に沈み続けた審判員が、オフの契約非更新リストへと直結していくのです。